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自民党新憲法草案全文(05年10月28日発表)と、日本国憲法との比較

 

目次

前文

第 1章 天皇(第1条〜第8条)

第 2章 安全保障(第9条・第9条の2)

第 3章 国民の権利及び義務(第10条〜第40条)

第 4章 国会(第41条〜64条の2)

第 5章 内閣(第65条〜75条)

第 6章 司法(第76条〜82条)

第 7章 財政(第83条〜91条)

第 8章 地方自治(第91条の2〜95条)

第 9章 改正(第96条)

第10章 最高法規(第97条〜99条)

 

自民党・「新憲法草案」

日本国憲法(現行)

 

前文

日本国民は、自らの意思と決意に基づき、主権者として、ここに新しい憲法を制定する。

象徴天皇制は、これを維持する。また、国民主権と民主主義、自由主義と基本的人権の尊重及び平和主義と国際協調主義の基本原則は、不変の価値として継承する。

日本国民は、帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有し、自由かつ公正で活力ある社会の発展と国民福祉の充実を図り、教育の振興と文化の創造及び地方自治の発展を重視する。

日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に願い、他国とともにその実現のため、協力し合う。国際社会において、価値観の多様性を認めつつ、圧政や人権侵害を根絶させるため、不断の努力を行う。

日本国民は、自然との共生を信条に、自国のみならずかけがえのない地球の環境を守るため、力を尽くす。

 

前文

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

 

第1章 天皇

 

第1条(天皇)

天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。

 

第2条(皇位の継承)

皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

 

第1章 天皇

 

第1条及び2条(同じ)

 

 

 

 

 

第3条

(第6条第4項参照)

第3条

天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

第4条 (天皇の権能)

天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行い、国政に関する権能を有しない。

 

第4条

@ 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行い、国政に関する権能を有しない。

A 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

 

第5条

(第7条参照)

第5条

皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第1項の規定を準用する。

 

第6条(天皇の国事行為)

@ 天皇は、国民のために、国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命し、内閣の指名に基づいて最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

A 天皇は、国民のために、次に掲げる国事に関する行為を行う。

1 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。

2 国会を召集すること。

3 第54条第1項の規定による決定に基づいて衆議院を解散すること。

4 衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選挙の施行を公示すること。

5 国務大臣及び法律の定めるその他の国の公務員の任免並びに全権委任状並びに大使及び公使の信任状を認証すること。

6 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。

7 栄典を授与すること。

8 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。

9 外国の大使及び公使を接受すること。

10 儀式を行うこと。

B 天皇は、法律の定めるところにより、前2項の行為を委任することができる。

C 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣がその責任を負う。

 

第6条

@ 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。

A 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

第7条(摂政)

@ 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名で、その国事に関する行為を行う。

A 第4条及び前条第4項の規定は、摂政について準用する。

 

第7条

天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。

1 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。

2 国会を召集すること。

3 衆議院を解散すること。

4 国会議員の総選挙の施行を公示すること。

5 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。

6 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。

7 栄典を授与すること。

8 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。

9 外国の大使及び公使を接受すること。

10 儀式を行うこと。

 

第8条(皇室への財産の譲渡等の制限)

皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が財産を譲り受け、若しくは賜与するには、法律で定める場合を除き、国会の議決を経なければならない。

 

第8条

皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。

第2章 安全保障

 

第9条(平和主義)

日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

第2章 戦争の放棄

 

第9条

@日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

A 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 

第9条の2(自衛軍)

@ 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮権者とする自衛軍を保持する。

A 自衛軍は、前項の規定による任務を遂行するための活動を行うにつき、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。

B 自衛軍は、第1項の規定による任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び緊急事態における公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。

C 前2項に定めるもののほか、自衛軍の組織及び統制に関する事項は、法律で定める。

 

自民党案第9条の2は新設

第3章 国民の権利及び義務

 

第10条(日本国民)

日本国民の要件は、法律で定める。

 

第11条(基本的人権の享有)

国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる。

 

第3章 国民の権利及び義務

 

第10、11条(同じ)

 

 

 

 

第12条(国民の責務)

この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、保持しなければならない。国民は、これを濫用してはならないのであって、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚しつつ、常に公益及び公の秩序に反しないように自由を享受し、権利を行使する責務を負う。

 

第12条

この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

第13条(個人の尊重等)

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 

第13条

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第14条(法の下の平等)

@ すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、障害の有無、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

A 華族その他の貴族の制度は、認めない。

B 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴わない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

 

第14条

@ すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

AB(同じ)

第15条(公務員の選定及び罷免に関する権利等)

@ 公務員を選定し、及び罷免することは、国民固有の権利である。

A すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。

B 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。

C 選挙における投票の秘密は、侵してはならない。選挙人は、その選択に関し、公的にも私的にも責任を問われない。

 

第15条

@AB(同じ)

C すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

第16条(請願をする権利)

@ 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願をする権利を有する。

A 請願をした者は、そのためにいかなる差別待遇も受けない。

 

第16条

何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。

第17条(国等に対する賠償請求権)

何人も、公務員の不法行為により損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。

 

第17条(同じ)

 

第18条(奴隷的拘束及び苦役からの自由)

@ 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。

A 何人も、犯罪による処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

 

第18条

何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

第19条(思想及び良心の自由

思想及び良心の自由は、侵してはならない。

第19条(同じ)

第19条の2(個人情報の保護等)

@ 何人も、自己に関する情報を不当に取得され、保有され、又は利用されない。

A 通信の秘密は、侵してはならない。